障害者雇用の仕事内容は?障害種別ごとにおすすめの仕事を紹介

障害者雇用という言葉を聞いたことがあっても「具体的にどんな仕事があるの?」と働くイメージがピンとこない方は多いかもしれません。

そこで本記事では、障害者雇用の仕事内容について下記5点を中心に解説しています。

  • 障害者のための雇用支援!障害者雇用とは
  • 障害者雇用で仕事に就く人が多い業界は?
  • 【障害種別】障害者雇用でおすすめの仕事内容や働き方
  • 障害者雇用で在宅勤務の仕事はある?
  • 障害者雇用の仕事を探す方法


最後に、JTBデータサービスで取り扱っている実際の障害者雇用求人も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

障害者のための雇用支援!障害者雇用とは

障害者雇用とは、障害者手帳を持つ方向けの特別な雇用制度のことを指します。障害のある方の雇用安定を目的とした政策のひとつです。

従業員を一定数以上雇用している企業は、障害者雇用促進法により、障害者雇用枠を設け一定割合以上の障害者を雇用する義務があります。

障害のある方の雇用を前提とした雇用枠のため、一般雇用と比べると周囲からの理解や配慮が得られやすく、働きやすい特徴があります。

障害のある方が就職や転職する際は、一般雇用枠だけでなく障害者雇用枠にも目を向けてみるとよいでしょう。障害者雇用制度については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:障害者雇用とは?制度の概要や一般雇用との違い、メリット・デメリットを解説

障害者雇用で仕事に就く人が多い業界・職種は?

障害者雇用で働く人はどのような業界が多いのでしょうか。ここでは「平成30年 障害者雇用状況の集計結果」から、障害種別(身体障害者・精神障害者・発達障害者・知的障害者)ごとに働く人が多い業界を紹介します。

身体障害者の場合

順位産業割合
1位卸売業・小売業23.1%
2位製造業19.9%
3位医療・福祉16.3%

参考:平成30年 障害者雇用状況の集計結果厚生労働省

「平成30年 障害者雇用状況の集計結果」によると、身体障害者の就業者数がもっとも多かった産業は「卸売業・小売業」で23.1%、2位は「製造業」19.9%、3位は「医療・福祉」16.3%でした。

産業別就業者数の順位は、障害者雇用を含めた日本全体の調査「平成30年 労働力調査年報」と同じ結果です。(1位 卸売業・小売業 約17%、2位 製造業 約17%、3位 医療・福祉 約13%)

割合もそれほど変わらないことから、身体障害者と健常者では職業選択の傾向にそれほど大きな違いはないのかもしれません。

精神障害者の場合

順位産業割合
1位卸売業・小売業53.9%
2位医療・福祉17.6%
3位サービス業9.4%

参考:平成30年 障害者雇用状況の集計結果厚生労働省

精神障害のある方の場合、圧倒的に「卸売業・小売業」の割合が多く、53.9%と半数以上を占めました。2位は「医療・福祉」17.6%、3位は「サービス業」9.4%と続きます。

発達障害者の場合

順位産業割合
1位卸売業・小売業 53.8%
2位サービス業15.3%
3位医療・福祉11.6%

参考:平成30年 障害者雇用状況の集計結果厚生労働省

発達障害のある方の場合、精神障害のある方と同じく「卸売業・小売業」の割合が圧倒的に多く、53.8%でした。ついで、2位は「サービス業」15.3%、3位は「医療・福祉」11.6%です。

知的障害者の場合

順位産業割合
1位製造業25.9%
2位卸売業・小売業23.7%
3位医療・福祉21.9%

参考:平成30年 障害者雇用状況の集計結果厚生労働省

知的障害のある方の場合、1位は「製造業」25.9%、2位は「卸売業・小売業」23.7%、3位は「医療・福祉」21.9%と、1位から3位までの割合に大きな偏りはみられませんでした。

障害者雇用で働く方の全体の傾向として障害種別にかかわらず、国内全体で就業人口の多い「卸売業・小売業」「製造業」「医療・福祉」「サービス業」で働く方が多いことがわかります。

【障害種別】障害者雇用でおすすめの仕事内容や働き方

ここでは、障害者雇用でおすすめの仕事内容や働き方を障害種別ごとに紹介します。

身体障害者の場合

身体障害のある方の場合、障害の特性上、移動を制限される方が多いです。体力を消耗しやすい方も多いため、デスクワークで完結する仕事や移動の機会の少ない仕事が向いているといえます。

具体的には、以下の仕事がおすすめです。

  • 事務、経理
  • データ入力や文書の作成
  • 工場での製造、加工
  • 電話オペレーター
  • プログラマー、エンジニア
  • Webデザイン
  • ライティング、翻訳
  • イラストや印刷物の制作

会社によっては「在宅勤務」が可能な場合もあります。障害によって物理的に通勤が困難な方は在宅勤務も検討してみましょう。

精神障害者の場合 (発達障害を含む)

精神障害のある方の場合、環境のちょっとした変化や対人関係にストレスを感じやすい人が多い傾向にあります。そのため、ルール変更の少ない仕事や、1人で黙々と進められる仕事を選ぶのもポイントです。

具体的には、以下の仕事がおすすめです。

  • 工場での製造、加工
  • 配達、配送業務(宅急便の配達、フードデリバリーなど)
  • ビルやオフィス、ホテルの清掃業
  • データ入力や文書の作成
  • プログラマー、エンジニア、Webデザイン
  • ライティング、翻訳

毎日決まった時間に出社するのが苦手な方や、日によって体調が変動しやすい方は「フレックス制度」など柔軟な働き方を取り入れている会社を選ぶとよいでしょう。

知的障害者の場合

知的障害がある方の場合、繰り返し行うことで作業を覚えられるルーティン作業が向いています。具体的には、以下の仕事がおすすめです。

  • 工場での製造・加工
  • お店の裏方で棚卸しや在庫管理をする卸売・小売業
  • ビルやオフィス、ホテルの清掃業
  • 箱詰め作業や仕分けなどを行う運搬、包装業

障害の程度によっては、障害者雇用よりも「就労継続支援A型・B型事業所」での働き方が向いているケースもあります。

就労継続支援については下記の記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。

関連記事:就労継続支援とは?A型とB型の対象者、仕事内容、給料の違い、選び方のポイントを解説

障害者雇用で在宅勤務の仕事はある?

障害者雇用で在宅勤務の仕事はある?

働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症の影響により、在宅勤務は働き方のひとつとして急速に普及が進みました。

在宅でできる業務は多岐にわたりますが、障害者雇用では以下のような仕事が多い傾向にあります。

【在宅勤務に多い業務一覧】

  • 資料、文書作成
  • 事務
  • 経理
  • 営業アシスタント業務
  • システム開発、ソフト開発
  • プログラミング
  • Webサイト制作、デザイン
  • イラストや印刷物の作成

一定のITスキルと自宅にネット環境があれば、事務作業や資料・文書作成、営業後方支援などの業務で、在宅勤務が可能です。また専門的な知識があれば、プログラミングやシステム開発、経理などの業務も在宅で行えます。

在宅勤務についての詳細は下記の記事で解説しています。「在宅勤務に興味がある」「デメリットはないのか気になる」という方は、こちらも参考にしてください。

関連記事:障害者で在宅(テレワーク)での仕事は可能?メリット・デメリットや求人の探し方を解説

障害者雇用の仕事を探す方法

障害者雇用の仕事を探す方法

実際に「どうやって障害者雇用の求人を探したらいいの?」と疑問に思う方は多いでしょう。ここでは、障害者雇用の仕事の探し方について2つの方法をお伝えします。

ハローワークなど公的な支援機関に足を運ぶ

まずは、ハローワークをはじめとした公的な支援機関に足を運んでみましょう。

障害者の方が利用できる就労関連のサービスには、下記のようなものがあります。ハローワークと各機関は連携しているため、状況に応じて利用してみてくださいね。

支援機関こんな人におすすめ
ハローワーク求人検索やキャリア相談をしたい
就労移行支援事業所働きながら必要なスキルを学びたい
障害者職業能力開発校新しい資格や知識を身につけたい
地域障害者職業センターより専門的なアドバイスをもらいたい
障害者就業・生活支援センター仕事だけでなく生活のことも相談したい

障害者専門の転職エージェントを利用する

効率的に就職活動をしたい方には、障害者専門の転職エージェントの活用もおすすめです。専門の転職エージェントなら、障害者の雇用を前提とした求人が多く集まっているので、希望の条件や障害の特性に合った求人が見つかりやすい特徴があります。また、提出書類の添削や面接練習など、きめ細やかなサポートも受けられます。

障害者専門の就職・転職エージェントの選び方や活用ポイントについては、下記の記事で詳しく解説しているのでこちらも参考にしてください。

関連記事:【障害者雇用】転職エージェントの選び方や活用ポイントを紹介

障害者雇用の求人実例・仕事内容を紹介

障害者雇用枠の求人にはどのような内容があるのでしょうか。ここでは、JTBデータサービスで実際に取り扱っている求人を3つ紹介します。

  1. 警備会社の事務職・書類作成補助
  2. 交流創造企業で地域活性、地方創生コンサルティング
  3. 大手旅行会社で予約手配、営業後方支援

気になる求人があれば、ぜひ詳細をチェックしてみてください。

①警備会社の事務職・書類作成補助

募集職種事務職、書類作成補助業務
仕事内容パソコンによる簡単な図面加工、データ入力、その他庶務
採用形態契約社員(正社員登用制度あり)
給与(月給)195,300円~

>>この求人の詳細を見る

警備会社での事務職の求人です。警備業は景気や社会情勢の影響を受けにくいため、安定して働きたい方に向いています。

勤務日や勤務時間などの希望を考慮してもらえるので、定期的な通院が必要な方でも働きやすいでしょう。

②交流創造企業で地域活性、地方創生コンサルティング

募集職種調査・コンサルティング
仕事内容行政からの受託案件のコンサルティング、プロジェクトの実行、JTBグループに対する調査・コンサルティング
採用形態正社員、契約社員
給与(月給)250,000円~525,000円 (四年制大学新卒、首都圏勤務の場合)

>>この求人の詳細を見る

地域活性・地方創生に関する調査、コンサルティング業務の求人です。主なクライアントは国や地方自治体。社会的貢献度の高いお仕事に携わりたい方に向いています。

③大手旅行会社で予約手配、営業後方支援

募集職種旅行予約手配、営業後方支援 
仕事内容旅行予約手配、出張データ分析、ビザ取得代行業務など
採用形態契約社員
給与(月給)200,000円~220,000円

>>この求人の詳細を見る

大手旅行会社での予約手配や営業後方支援のお仕事です。幅広い業務が用意されているので、障害の特性に応じた業務に携われるでしょう。

障害のある方でも働ける仕事内容はたくさんある!自分に合った職場を探そう

障害のある方でも働ける仕事内容はたくさんある!自分に合った職場を探そう

障害のある方でも活躍できる場はたくさんあります。大切なのは、自分が何を得意とし何が好きで、どんなサポートや配慮が必要かを理解することです。同じ障害や病名でも人によって特性や必要な配慮は異なります。自分の能力を最大限発揮させるためにも、ご自身の特性に合った仕事を見つけましょう。

社会はさまざまな視点やスキルを求めています。あなただからこそできる貢献がきっとあるはずです。

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JTBデータサービスは、障害者専門の転職・就職エージェントです。「健常者も障害者も同じ土俵に立って、お互いへの配慮を前提としながら活躍の場を見つけていくこと」をコンセプトに、東京を中心にサービスを展開しています。

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