適応障害は、強いストレスによって心身に不調が現れ、日常生活や仕事に支障が生じる精神疾患です。仕事によるストレスが原因で発症するケースも多く「職場が怖い」「仕事に行きたくない」といった悩みを抱えている方も多いでしょう。
本記事では、そんな適応障害の方に向けて下記3点を解説しています。
- 適応障害の主な症状
- うつ病や不安障害との違い
- 適応障害で仕事が怖いと感じたときの対処法
適応障害の方が転職する際のポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
仕事が怖い…と感じたら適応障害の可能性も
特定の出来事や状況に強いストレスを感じ「仕事が怖い…」と感じているなら、適応障害の可能性があります。
まずは適応障害の主な症状や、うつ病や不安障害との違いをみていきましょう。
適応障害の主な症状
適応障害の主な症状は、以下の通りです。
精神症状 | 不安、抑うつ、無気力、思考力・集中力の低下など |
身体症状 | 倦怠感、不眠、食欲不振(または過食)、動悸など |
問題行動 | 無断欠勤、危険運転、過剰飲酒、浪費など |
適応障害は、不安や抑うつ、集中力の低下など情緒的な症状のほか、倦怠感や不眠といった身体的な症状も現れます。また無断欠勤や危険運転などの問題行動がみられるケースがあるのも特徴です。
うつ病や不安障害との違い
適応障害と似た症状が現れる疾患に、うつ病や不安障害があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
- 適応障害 ストレスから離れると症状が緩和する
- うつ病 ストレスから離れてもすぐにはよくならない
- 不安障害 日常生活に影響が出るほどの強い不安などが少なくとも6ヶ月以上続いている
うつ病は、発症の原因が明らかでないケースも多く、ストレスから離れてもすぐにはよくならないのが特徴です。一方の適応障害は、発症の原因が必ずあり、ストレスから離れると症状が緩和しやすい傾向にあります。
不安障害は、日常の多くの出来事に対する不安や心配が少なくとも6ヶ月以上持続するのが特徴です。対して適応障害は、ストレスに晒されて3ヶ月以内に症状が現れ、ストレスがなくなると6ヶ月以内には回復するとされています。
このような違いはありますが、適応障害が悪化するとうつ病や不安障害に移行することもあります。それぞれに適した治療が必要なため、自分で判断せず専門医の診断を受けましょう。
適応障害で仕事が怖いと感じたときの対処法
適応障害によって仕事に負担を感じたときは、どのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、対処法を3つお伝えします。
- まずは心療内科や精神科を受診する
- 上司や人事に異動や業務量の調整を相談する
- 職場環境が改善されない場合は休職する
それぞれ詳しくみていきましょう。
まずは心療内科や精神科を受診する
体調の変化や普段と異なる行動が気になったら、専門医にアドバイスを求めるのが一番です。心身の不調を感じたら、まずは心療内科や精神科を受診しましょう。
病院に行くのに抵抗がある方は、会社の産業医に相談するのも選択肢のひとつです。社員が50人以上いる会社では、労働安全衛生法により産業医の専任が義務付けられています。 会社によっては健康診断の際に産業医面談が実施されている場合もあるので、その機会を利用してみましょう。
上司や人事に異動や業務量の調整を相談する
仕事のストレスは個人だけの問題ではありません。職場の人間関係や残業の多さなどが適応障害の原因になっている場合は、異動や業務量の調整を上司に相談しましょう。
直属の上司に相談しづらい場合は、人事担当者や会社の相談窓口に相談するのもひとつの方法です。
従業員のメンタルヘルス不調は、会社としても配慮するべきことです。一人で悩みを抱え込むより上司や同僚と一緒に解決策を考えることで、職場環境の改善につながります。
職場環境が改善されない場合は休職する
もし上司や人事との話し合いで職場の環境が改善されないと感じる場合は、休職を検討してみてもよいでしょう。休職すれば治療に専念できるため、状況をいったんリセットできるはずです。
症状が悪化すれば、回復にかかる期間が長くなることも。また適応障害を長く抱え込むことで、うつ病や不安障害に進行するリスクも無視できません。症状の悪化を防ぐ意味でも、無理をしすぎないことが大切です。
企業によって休職の期間や条件は異なりますので、詳細は就業規則や担当者に確認してください。下記の記事では、休職から復職までの流れや復職率について解説しています。気になる方はこちらも参考にしてください。
関連記事:休職したら終わり?復職までの流れや休職中に利用できる制度を紹介
ストレスの少ない職場への転職も検討する
上司に相談しても職場環境が改善されないときや、休職をしても復職が難しく感じる場合は、転職も視野に入れてみましょう。
転職活動をする際は、自分がどのような環境であればストレスを感じにくいのか、どんな仕事内容を望むのかを整理してみてください。希望や条件を明確にすることで、自分に合った仕事を見つけやすくなります。
一人で転職活動するのが不安な方は、障害者専門の転職エージェントの活用がおすすめです。あなたの特性や希望を踏まえたうえで、求人のマッチングから面接の練習、入社後のフォローまでしっかりサポートしてくれます。
適応障害の方が転職する際のポイント
ここからは、適応障害の方が転職する際のポイントを3つ紹介します。
- 何がストレスになりやすいのかを把握する
- 勤務時間や場所が柔軟な職場を選ぶ
- 障害者雇用枠で働くことも検討する
それぞれ詳しく説明します。
何がストレスになりやすいのかを把握する
まずは、仕事上でどのようなことにストレスを感じやすいのかを把握しましょう。ストレスの原因がわかっていれば、転職の際に役立てられます。
適応障害は、ストレスに晒されてから3ヶ月以内に発症するとされています。現在、適応障害の症状に悩まされている方は、下記のストレス原因の例を参考に、直近の3ヶ月で思い当たる出来事がないかをチェックしてみましょう。
【ストレス原因の例】
- 残業が増えた
- ノルマが厳しくなった
- 上司との関係に悩んでいる
- パワハラやセクハラを受けている
- 異動で苦手な人が同じ部署になった
- 仕事内容が自分に合っていないと感じる など
もし自分だけでストレスの原因を特定できない場合は、専門家のカウンセリングを受けるのも有効です。他者の視点からアドバイスをもらうことで、自分の気持ちや状況を客観的に捉えられます。
勤務時間や場所が柔軟な職場を選ぶ
適応障害の方はストレスによって体調に波が生じるため、フレックスタイム制や時短勤務・在宅勤務など、柔軟な働き方ができる職場を選ぶことも大切です。
自由度の高い働き方を導入している職場であれば、心身の負担を減らしつつ、自分のペースで業務を進められるので、体調を安定させられるでしょう。転職の際は仕事内容や待遇だけでなく、勤務形態にも注目してみてください。
障害者雇用枠で働くことも検討する
障害者雇用枠での就労を検討してみるのもおすすめです。障害者雇用枠での就労は、一般雇用に比べて業務内容や休暇の取り方に対する配慮が受けやすく、周囲の理解とサポートのもと働きやすい環境が整っています。
障害者雇用枠に応募するためには障害者手帳が必要ですが、安定して長く働くことを目指すならぜひ検討してみましょう。下記の記事では、障害者雇用枠での転職のポイントを解説しています。気になる方はこちらも参考にしてください。
関連記事:障害者雇用枠での転職を成功させるには?流れやポイント、求人実例を紹介
適応障害はストレスの原因と距離をとることが大切
適応障害の症状を改善させるには、ストレスの原因から距離をとることが大切です。たとえば、業務量の多さが適応障害の原因になっているのであれば「残業の少ない部署に異動希望を出す」「ストレスの少ない職場に転職する」などの方法が考えられます。
適応障害は早期発見・早期治療が重要です。症状が悪化すると、うつ病や不安障害に移行することもあるため、心身の不調に気が付いたら早めに医療機関を受診しましょう。
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